jeudi 27 septembre 2007

16区散策 ― 励ましの言葉



先週末、日本で知り合いになったフランス人の F からメールが入った。今パリにいるがこれからワシントンDCに移ることになったので、一度会わないかというものだ。ミラボー橋の真ん中で待ち合わせて16区を歩くことにした。16区と言えば、すっかり気に入ってしまったモネのマルモッタン美術館を訪れた時やフランス日本研究学会を覗いた時に寄ったことがあるだけだ。遥か昔に感じられるが、見てみるといずれもこの1年以内の出来事である。

F はいつもゆっくり周りを見ながら、体を自由に動かしながら歩く。その時の自分をオープンにして周囲を感じ取っているように感じられ、promenade というのはこうしてもよいのか、あるいはこれが se promener ということなのかと考えさせられたことを思い出していた。歩きながら、こちらの大学生活のことを聞いてみた。メールで指導教官と頻繁にディスカッションす ることも大切。またフランス語の上達には、どんなテーマでもよいから自らがコロックをやり話すようにしたら、いやでも勉強するようになるのではないか、というサジェスチョンをもらった。確かにその通りだろう。

話をしながら、その場で文章を作っているのがはっきりわかり、途中で疲れてきた。英語の場合は、話す時に使う文型や語彙が引き出しに分けて入っていて、それを適宜取り出して使うという感じで、使っているうちにその作業がオートマティックになっていく。しかし、フランス語の場合はそもそも引き出しなどは出来上がっておらず、大きな箱の中にわずかな蓄えがある程度なのですぐに行き詰まる。その結果、その場で作文をすることになり、とても話し言葉というわけには行かない。F は日本の1年はこちらでは1ヶ月だ、などと言ってバスの中に消えたが、到底信じることのできない励ましの言葉であった。



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