jeudi 10 janvier 2008

あるフランス人のこと


Frank Stella (né le 12 mai 1936 à Malden, Massachusetts)


20代後半、研究のためボストンで2年ほど暮らしたことがある。研究室のボスは30代前半。そこにパリからおそらく20代は中ごろに入っているかという研究者が加わることになった。彼の名前はJCL。どうして人生はこうも生き難いものなのかとでも思っているように、いつも悩みながら考え、日々を過ごしているようなところを感じ、アメリカの目から見ると異質に見えたものだ。テニスが得意で、球をラケットに当てるのが精一杯の私も相手をしていただいた。また、お前は何も考えないで実験をしているだろう、などと言われたこともある。その言葉の主は彼ではなかったかもしれないが、フランス人であった記憶には自信がある。

その彼がある時に発した言葉が妙に心に焼き付いている。その状況は思い出さないが、人間というものはどんなに年を取っても褒められたいと思っている存在なのだ、という言葉が。20代の若者から見れば40半ばの立派な研究者が、われわれと一緒に実験をする。そんな彼に対して、そんなにしなくてもよいのに、というようなことを誰かが言った時だったかもしれない。先日の指導教授と話をしていて、JCLの立場がある意味で今の自分の状況に似ていると思ったからだろうか。彼のことが懐かしく思い出されたのだ。まだ会える年齢である。何とか会えないものだろうか。



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