vendredi 22 février 2008

織姫と彦星?



本当に人生は不思議である。織姫と彦星のお話を遥かに通り越した再会が実現した。私が彦星を名乗るのは少々おこがましいが、話のついでだと思っていただきたい。織姫は現在アメリカの大学で活躍する研究者。滞米10年くらいになるのだろうか。その彼女から突然メールが入った。今日アメリカを出てパリに行くのでお茶しませんか、というものだ。パリ大学でお話をするとのこと。こういう唐突さは彼女らしさが出ていて好ましく思っているところだが。そこで思い返してみた。とにかく、いつどのような切っ掛けで知り合うようになったのか、始まりがはっきりしないのだ。最初は彼女が大学を出て数年の時ではないかと思うが、溌剌とした快活さと涼しげな印象が強く残っている。それから彼女がアメリカに渡り、私が出張に行った時に会ったのがほぼ10年前のことになる。大雑把に言えば、10年に一度会えることになっている関係とでも言えばよいのだろうか。その3回目のランデブーが実現したということになる。

観光名所での1時間半ほどのお茶になったが、いろいろなことを話した。すべては思い出せないが、いずれ暗闇に入った時に出てくるかもしれない。一つだけ上げるとすれば、社会の枠がわれわれに及ぼす影響が話題になった。その枠に入るのかどうか、入って違和感を感じないのかどうか。彼女も含めて、キャリアを求める若い女性は結婚というものを成功への条件のように考えていて、とりあえずその条件をクリアしようとするらしい。ここまでは一般論として語っていた。それから人によっても違うのだろうが、時間が経ちキャリアを求めれば求めるほど、その関係が大きな負担になり始めることもあるという。つまり、その過程で自らの内なる声を聞くうちに、それが必ずしも自分の求めていたものではないのではないかと気付くことになりジレンマに陥るという。これは彼女自身の経験のようにも感じたが。この話を聞きながら、人間関係の難しさを考えていた。また、彼女は海外での生活が長く、研究を生業とされているので、枠の中でどうするかだけではなく、枠の外から考えることの大切さを語っていたが、それが日本社会では乏しいのではないかという印象を持っているようであった。その点は先日も触れたが、私もほぼ同意見である。

私の方は学生生活に至るまでの偶然に次ぐ偶然の出来事を話したが、彼女の反応はそれを必然と言うのですよ、とのこと。変に納得していた。それから学生生活の現実へと進んだが、老後とは程遠いその生活ぶりをどのように聞いていたのだろうか。とにかく半年後1年後のことも解らないという状態をどう受け止めるのか。銀行での性格判断の話 (アメリカでは当然行われているとのこと) と絡み合わせて、彼女が offensive であるのは言うまでもないだろうが、offensive であれば楽しめるのではないか、ということになった。私の方はどうなってもよい立場なのだが、これからがある彼女には真の成功を手に入れてほしいと願っている。

ということで不思議な縁を感じながら、10年後の4度目の再会を約してクールに向かった。


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ランデブーの前に周辺を散策中、これまで使っていた私の肖像画が彫刻になっているのを発見。以前から目には入ってはいたが、気に掛けていなかったようだ。その写真に変更した。




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