vendredi 3 avril 2015

滞在許可証、あるいは雲 La carte de séjour ou les nuages

3 avril 2008

昨年の9月に3ヶ月有効の学生ビザでこちらに来た。これをこちらの滞在許可証に変更しなければならないため郡庁(sous-préfecture: 区役所のようなところか)に行ったが、3-4ヶ月先まで予約が一杯で変更手続ができないのでそれを今年の1月まで延長してくれた。そしてこの1月にレセピセ (récépissé) という仮の書類をもらって帰ってきた。こちらも有効期間が3ヶ月。気が付くとあと数日で期限切れである。当局から連絡が入るとばかり思っていたが、噂通り全く連絡がなかった。

昨日の朝9時半、正式の許可証をもらうためにその郡庁に出かける。すでに90人くらいが私の前に来ている。2時間ほど様子を見たところ1時間に10人のペース。100人以上は来るというのに窓口は一つしか開いていない。これはたまらないというので、街の散策に出かけた。1時間ほど歩いて本屋に入ると、雲鑑賞協会 (The Cloud Appreciation Society) を始めたイギリス人の Gavin Pretor-Pinney さんの本が目に入る。こちらでは発売されたばかりである。

  Le guide du chasseur de nuages> (原題: The Cloudspotter's Guide

日本でもすでに訳されていて、「『雲』の楽しみ方」となっている。どのように受け止められているのだろうか。

私が雲を眺める楽しみを初めて知ったのは、僅か3年ほど前のこと。それ以前にも雲を見て美しいとは思ったことは幾度となくあるが、それを積極的楽しみにすることはなかった。3年ほど前のことははっきりと覚えている。丁度フランスに一月ほど滞在した後ロンドンに渡り、そこから学会のあるケンブリッジに向かう電車の中のこと。ぼんやりと空を眺めている時にその美しさに目が覚めたのだ。それ以来、雲を見ることが無上の喜びをもたらしてくれることを知る。この本にも bonheur という言葉が出てくるが、私の心の状態を表現するのにもってこいの言葉のようだ。今では空を見るとそこにお前がいるなという感じになっている。何時間見ていても尽きせぬものがそこにある。日本では余り見なかった飛行機雲もパリでは頻繁に見ることができ、楽しみの一つになっている。

この本のイントロには次の言葉があるが、全く同感である。

  "Rien ne peut rivaliser avec leur sublime et éphémère beauté"
   (その崇高で移ろいゆく美に比肩するものはない)


夢の世界から現実に戻り、再び郡庁に向かう。さすがに窓口が2つになっていたが、まだ10人ほど残っている。順番が回ってきたので話を聞いたところ、健康診断をする必要があるのでそちらの方に連絡をしておきます、今回はさらに3ヶ月の延長をしましょうとの返答。僅か30秒で終ってしまった。4時半のこと。これから健康診断をするところから連絡が入るので、それを待って健康診断をし、再度本物の滞在許可証の申請に行くという手順になりそうである。ひょっとすると、最後まで仮の滞在許可証ということも無きにしも非ずかな、という思いで夜のクールに向かった。





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