jeudi 29 octobre 2015

フランソワーズ・バレ・シヌシ博士のインタビューに同席する

29 octobre 2008


Dr. Françoise Barré-Sinoussi, Prix Nobel 2008

 
ノマドが巡り会う道行きの神の仕業だろうか。二日続けての嬉しい出会いとなった。

今日も午後から研究所に出かける。しばらくするとビブリオテクの人が数人を連れて現れた。お連れの方に聞いてみると、ノーベル財団の仕事で受賞者のインタビューを制作しているアメリカの3人組。1時間後に私の目の前で今年のノーベル賞を受賞したバレ・シヌシさんのインタビューが始まるという。彼らの仕事振りを見ていると、熟達の人たちという印象で気持ちがよい。貴重な経験なので今日も予定を変更せざるを得なくなった。

インタビューが始まる前、バレ・シヌシさんはまだ新人なので "very nervous" であると言っていた。インタビューで出ていた質問は次のようなことである。

ウイルスとは何か
レトロウイルスとは何か
ウィルス学を定義するとどうなるか
ウイルスの研究のどこが面白いのか
30年の研究生活は楽しいものだったのか
どのようなきっかけでエイズの研究に入ることになったのか
これがエイズの原因だとわかった時の興奮とはどんなものだったのか
当初世界的に感染が広がると予想していたか
エイズウイルス発見から20年以上経つがまだ有効なワクチンも開発されていないが何が問題なのか
アフリカやカンボジア、ベトナムではどのようなことをされているのか
モンタニエ博士との共同研究はどのようなものだったのか
ノーベル賞受賞はどのような状況で聞いたのか
あなたの研究は基礎から臨床へと進んでいった点で満たされるものがあるのではないか
人を助けていることの喜びとはどのようなものなのか

彼女がエイズにレトロウイルスが関係していることを明らかにした時の状態は、興奮というよりいかにして世界を納得させるのかが問題だったので、やることが山のようにあったとのこと。彼女の研究はどこにでもある(ルティーンの)手法で行われたものであること、それから多くの専門の異なる人たちの智慧の結集であること、したがって今回の受賞も二人だけのものではないということを強調していた。

彼女は以前からアフリカやカンボジア、ベトナムで共同研究や研究指導などを行っている。受賞の知らせを聞いたのは、そのカンボジアでのミーティングで発表している時。フランスのラジオ局の人からの電話で知ったそうだが、全く信じられなかったとのこと。エイズウイルスの研究がノーベル賞を貰うとしても自分がその中に入るとは思っていなかったようである。その後カンボジアの病院を訪ねた時に、若い女性のエイズ患者が彼女にキスをしてこう言ったという。「あなたは本当に素晴らしいことをしてくれました、あなたのお陰で私はこのように治療を受けていますが、まだその恩恵に与っていない人がたくさんいます」。そして、お互い抱き合いながら泣いたらしいが、素晴らしい瞬間だったと数週間前の出来事を語っていた。これは常に病める人のいるところに出かけて行って研究を考えるというパスツールの基本姿勢を実践していることになるのだろう。こういうところにもパスツールの伝統が息づいているという印象を強く持った。


インタビューは数ヵ月後にはノーベル財団のサイトで見ることができるとのこと。
今日は一足早く味わった直後のアップとなった。


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jeudi 29 octobre 2015

このような場面に単独で出会うことができるということは、日本では想像ができない。
 
先日のアンジェ美術館でもすべてを独り占めにするという経験をした。
 
美術館での同様の経験は、こちらでは稀ではない。
 
対象との垣根の低さを感じる経験と言っても良いのだろうが、有難いことである。








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