mardi 6 octobre 2015

ノーベル賞週間始る リュック・モンタニエ氏医学賞受賞

6 octobre 2008
 1984年、パスツール研究所の研究室で
 ©AFP/MICHEL CLEMENT
リュック・モンタニエ氏(左)とフランソワーズ・バレ・シヌシ氏(右)


今朝、なぜか私がバーゼルにいて日本からの研究者を迎えており、その方がもし日本人がノーベル賞を貰うと・・・などと話をしているところで目が覚めた。そしてお昼のラジオでこのニュースを聞いた。いずれもパスツール研究所に縁のあるリュック・モンタニエ氏とフランソワーズ・バレ・シヌシ氏がエイズウイルスHIV発見の功績により今年のノーベル生理学医学賞を受賞した。同時に、ハイデルベルグにあるドイツがんセンターのハラルト・ツアハウゼン氏(Harald zur Hausen, 1936- )が子宮頸がんの原因になるパピローマウイルスを発見した功績で受賞している。彼のもとには私の同級生も行っていたので、少なからぬ日本人が指導を受けているものと思われる。

ノーベル財団のページ。今朝見たときには写真は全くなく、それからツアハウゼン氏とモンタニエ氏のものが加わり、最後にバレ・シヌシ氏のものが加わっている。余談だが、モンタニエ氏の最初の写真は暗い、物想うご老人の顔であったが、今見ると生気溢れる満面の笑みのものに変わっている。クレームが入ったのかもしれない。

 Françoise Barré-Sinoussi (1947-) video
 Luc Montagnier (1932-)

リュック・モンタニエ氏については、これまで何度か触れている(こちらです)が、バレ・シヌシ氏については今回初めて聞く名前だった。モンタニエ氏と一緒にやりながらHIVの発見に関わり、研究を発展させてきた方と理解してい る。その分野では有名な方ではないかと想像する。最近の傾向として、発見に重要な役割を果たした若手の研究者もそのボスと同時受賞するようになっている。 数年前のリチャード・アクセル氏の時のリンダ・バック氏や古くは1984年のモノクローナル抗体のミルシュタインとケーラー氏の組み合わせなど。フランス との関連では、マイケル・ビショップ、ハロルド・ヴァーマス両氏が貰った時の仕事はフランス人ポスドクのシュテーラン氏(Dominique Stehelin)が自らやったものだとして異議を唱えたこともあった。選考委員会がその実態を詳細に調べるようになっているということかもしれない。若い人にとっては刺激になるのではないだろうか。

記憶に新しいと思うが、エイズウイルス発見についてはアメリカのロバート・ギャロ氏との間でどろどろとした先陣争いが行われた。モンタニエ氏のウイルスをガロ氏が借用して発表したとされる話があったり、時のレーガン大統領とフランスのシラク大 統領が政治的解決に出たこともあったが、ノーベル財団はモンタニエ氏のプライオリティをはっきり認めたことになる。おそらく、それは正しい判断であろう。 しかもウイルス発見25周年、パスツール研究所創立120周年という記念すべき年に賞を授けるとはノーベル財団も粋な計らいをしたものである。私もよく顔 を出す研究所だが、活気が増しているかもしれない。

ル・モンドによると、物理学賞は明日火曜日、化学賞は水曜日、文学賞は木曜日、平和賞は金曜日に授与される。来週月曜の経済学賞で今年のノーベル賞シーズンは終るようである。


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mardi 6 octobre 2015

7年後のノーベル賞は日本人の大村智博士に授与されたとのニュースを昨日読んだ。
役に立つ研究が評価される科学を象徴する出来事である。
メカニズムが分かることと人の役に立つことのどちらを取るのか。
そう問われたとき、どう答えるのか。
勿論、両方の条件を満たすに越したことはない。
しかし、それが患者さんに効果があるとなれば、使う方に走るところが医学にはある。
メカニズムは後回しになるのである。
理解よりは効用なのである。

これからも日本人の受賞が増えてくる可能性がある。
科学の基準にやすやすと乗ってしまうと、日本の文系は悲惨な状況になりかねない。
落ち着いた思考の世界を維持したいものである







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